第629回二木会講演会記録

『ふれあいが心を育てる』

講師:諸富 祥彦 氏(昭和57年卒)

 同期の五嶋啓さんによるご紹介の後、諸富さんの講演が始まりました。

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 大きな声を出す、体を動かすなどアウトプット(会話)することで記憶は定着するということから、隣に同士の2人組や周りの4人でグループになって、声を出したり、体を動かしたりすることでリレーションを学ぶ、参加型のワークショップとなりました。

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 (講師のご希望により、以後の講義内容は要点のみとさせていただきます)
 ・カウンセリングを専門としている。そこではリレーション(心と心のふれあい)が大事。
 ・心理学は30代半ば以降に大切になる学問。心理学を学ぶことで人生が変わり、心が豊かになる。
 ・職場でも家庭でも自分の居場所がないと思うとメンタルヘルスが悪くなる。相手に関心を持って、いちいち温かく盛り上げて、その人の居場所を作ってあげよう。
 ・優れた中間管理職とは「監視職」でなく、笑顔で自分の方から部下に寄り添う人間関係のリレーション名人である。職場のキーパーソンが人間関係のプロフェッショナルだと職員のヤル気はアップする。
 ・悩める人が、自ら望んで周囲に援助を求めやすい雰囲気を作ることが大切。その一方で悩んだら、早めに周囲に援助を求めること(ヘルプシーキング)も大事。

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 ・誰もが「自己肯定感」を高めることが大切。
 ・負の気持ちを切り替えるためには、場所・空間を変えることが有効。呼吸法(鼻から息を吸って、腹筋を使って口から吐く)も有効。芳香やアロマを活用することもお薦め。
 ・人生を本気で生きる。深く自分をみつめる。深く語りあう、交流しあうことが大事。
 ・魂のミッション。魂の充足感を満たす。どんな人間にも使命がある。使命に本気で取組むことで心が揺れ、人生の充実につながる。本気でやるべきことを持つことが大事。
 ・偶然をどう生きるかが、人生を豊かに生きるポイント。「たまたま」を大事にする。
 ・自分の人生に対する、運とご縁を大事にする。たまたまめぐってきたご縁には、素直に、まずはYes!とりあえずYes!オープンマインドで受けると人生の流れが変わっていく。傲慢さは無用。何事にもYESと言える素直な気持ちが大事。

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 (質疑応答を経て)
 ・定年後は、生きがいをみつけよう。しがらみを断ち切って、自分が社会に役立っているという自己肯定感を持とう。

 (会長挨拶)
 過去629回を数える二木会講演においても、これだけユニークな回はなかったのではないでしょうか。ストレスをどう解消するかについて誰もが悩んでいます。成熟社会ならではの社会問題なのでしょう。本日は、時々フォークダンスを踊っているかのような楽しい雰囲気の中あって、しっかりと印象に残る言葉が幾つもありました。中でも、人生を本気で生き、深く自分をみつめ、深く語りあう、ということ。ストレスをなくすること以上に、本当に人生を豊かに生きる術なのだろうなと、私自身にとっても、とても参考になりました。もしかしたら、私もカウンセリングをお願いするかもしれませんね(笑い)

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(終了)