第15回 Salon de 修猷の報告(令和4年9月10日開催)

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『音色でつながる あの時 あの場所』

出演: リコーダー 小池耕平(昭和56年卒)
フルート 白水裕憲(昭和58年卒、群馬交響楽団)
クラリネット 荒木禎史(昭和58年卒、
リコーフィルハーモニーオーケストラ)
アイリッシュフルート 荒武田京(昭和58年卒)
チェロ 橋本勝郎(昭和61年卒、
ソニー・フィルハーモニック・オーケストラ)
チェロ 井上悟美(昭和61年卒)
ピアノ 木下牧子(平成3年卒)

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サロン・ド・修猷は、記念すべき第15回目ということで、最近はワークショップでの開催が続いていたサロン・ド・修猷でしたが、今回は原点に立ち返り、芸術鑑賞の機会としました。3年ぶりに会場に集うことができ、また、オンラインでも配信しました。会場参加については、コロナ禍での入場制限があって例年よりも定員が少なく、小学生から80歳代までの67名にお集まりいただき、オンラインでは34名の方に申し込みをいただき、合計101名の方にご参加いただきました。

全体は3部構成で、まず、第1部では、それぞれにソロやデュオ、それに演奏者それぞれの高校時代の思い出の曲やエピソードなども披露していただきました。

スタートは、橋本さんと井上さんにチェロのデュオで、「川の流れのように」と「見上げてごらん夜の星を」の2曲を演奏していただきました。お二人の共演に至るエピソードには心温まるものがあり、この1曲目から涙ぐみながら聴いてくださった参加者の方もいらっしゃいました。次に演奏していただいた木下さんは電子ピアノで、運動会の創作ダンスに使われていた映画音楽に潜むクラシック曲を発見したエピソードと共に、その思い出の曲を披露してくださいました。

この後は、昭和58年卒の3名の方に、順番にそれぞれ演奏していただきました。まずは、荒木さんにクラリネットでラヴェル作曲の「ボレロ」を演奏していただきました。次に、武田さんには、アイリッシュフルートという珍しい楽器で、アイルランドの伝統音楽を演奏していただきました。そして、白水さんには、フルートでドビュッシー作曲の「シランクス」を演奏していただきました。それぞれの曲やリズム、楽器についての解説もしていただき、また、武田さんは白水さんとは、3年7組で出席番号が前後だったということで、1年間教室の席もずっと前後の並びだったそうで、この日の共演というご縁に、参加者の一人として胸が熱くなるものがありました。

そして、小池さんには、リコーダーで ファン・アイク作曲の「涙のパヴァーヌ」を演奏していただき、第1部の締めくくりには、白水さんのフルートと橋本さんのチェロによるデュオで、ベートーベン作曲「フルートとチェロのためのデュエットWoO 27 No.1」を演奏していただきました。 第1部では、次々と様々な音色の楽器やその解説、演奏者どうしのエピソード等を聴くことができ、食事をしながらリラックスした雰囲気の中でも、様々なジャンルの音楽を楽しむことができました。

次に、第2部では、小池さんのリコーダーと白水さんのフルートによる演奏を堪能しました。お二人のデュオで、モーツァルト作曲 「ソナタ 変ロ長調 K. 292 (原曲:ファゴットとチェロのためのソナタ)」、J. Ph. ラモー作曲 「ミューズ達の会話」、同じく、J. Ph. ラモー作曲「タンブーラン」を演奏していただいた後、小池さんのソロで、J. ファン・アイク作曲 「美しき娘ダフネ」等、数種類のリコーダーの解説と共に、楽しいトークが繰り広げられ、時間の制約なくいつまでも聴いていたかったひとときでした。白水さんは群馬で、小池さんは福岡や東京で演奏会を開催されているので、この記事をご覧の皆さんも、お近くで鑑賞できる機会があればぜひ足をお運びいただければと思います。

最後に、第3部では、もはや東京修猷会にゆかりの深い曲となった宇佐元恭一(昭和53年卒)作詞・作曲の「つむぐ星よ」と、「館歌」を、指揮者として活躍中の岩下光樹(平成6年卒)の編曲により、7名全員で圧巻のアンサンブル。会場の至る所で涙を拭う姿が見受けられました。

最後になりましたが、演奏していただいた皆さま、会場とオンラインのハイブリッドでの今回のサロンを実現するためにご尽力いただいた皆さま、そして当日ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

村上美奈子(平成6年卒:六星会)