
『五感をひらく体験型サロン 混ぜて、合わせて、整えよう』
第 19 回目を迎えたSalon de 修猷(以下、サロン)、テーマは「五感をひらく体験型サロン 混ぜて、合わせて、整えよう」でした。
開始前からドリンクコーナーには長蛇の列。笑顔が溢れ、みなさま、この日を楽しみにしてくださっていたのが伝わってきます。
まずは加藤副会長より「昨今、地震や大雨など自然災害が身近に迫ることが続きました。五感をフル活用して備えられるよう今日は学びましょう」と士気の上がるご挨拶をいただき、乾杯&開会しました。
第一部は発酵調味料のナビゲーター田川裕子(H10年卒、以下、年卒を略)より、"旨味や香りを感じて自分との向き合う時間"です。
田川は普段、インテリア雑貨のデザイナーをしながら老犬ホームの運営をしています。数年前に心身の調子を崩した時、ある方のご指南から「自分の身体の感覚に意識を戻す」ことを実践しました。意識をしながら食べること、意識をしながら歩くこと、呼吸法・・などなど、少しずつ調子が戻っていくと同時に、以前よりも感度高くなっていきた経験があり、今ではその体験を活かして、自然の中でのリトリートの企画や、ペットの介護をされている方の心のケアなどにも携わっています。そんな背景から今回の企画は、東京の第一線でご活躍されている皆様が、自身を調える気づきができれば嬉しいなあという気持ちから企画したと、本日の背景を紹介しました。![]()
続いて、ホテルグランドヒル市ヶ谷の料理長より、今回のために用意された特別メニュー「九州醤油と関東醤油の食べ比べ」にまつわる裏話が披露されました。「九州出身のスタッフがおらず、文献や調味料を一から調べ研究を重ねた」という開発秘話をはじめ、がめ煮の隠し味やチキン南蛮の工夫など、ユーモア溢れる独創的なお話に会場は大いに盛り上がりました。
そしてお楽しみの実食です。みなさん、玉手箱を開けるようにお弁当箱をそっと開けます。すると右側に関東醤油、左側に九州醤油のお料理。歓声があがるものの、すぐに黙食開始です。関東醤油と九州醤油を使ったがめ煮とチキン南蛮、違いを堪能しつつ、思い浮かぶ感覚を探ります。感想タイムでは、宮崎慎二さん(H4)より「懐かしいです」、吉武惠美さん(S44)は「九州醤油のしいたけの方にコクを感じました」など、繊細な感想をいただきました。![]()
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続いて、事前の仕込み会で手作りした醤や甘酒など発酵させた調味料と市販のコンソメやアジシオ等、6種類の調味料が配られ、調味料の食べ比べも行いました。事前に行った調味料作りの参加者、遠藤功暁さん(S57)や甲畑眞知子さん(S44)からは「時間が経ち美味しくなるのが面白い」との発表もありました。
一部の終わりに田川より「味覚はごまかしにくい感覚。味覚を通して感じることは素の自分が向き合う感覚」「今後も自身の感覚にフォーカスする時間を」というメッセージが発信されました。
休憩時間も、会場内は会話が続き、ドリンクオーダーが弾みます。
第二部は同じく天猷会の副嶋正博錬士(優れた剣士に与えられる称号)による「呼吸と剣で自分と相手を感じる」でした。
10歳の頃、武士のような袴のかっこよさに憧れて原小学校の少年剣道倶楽部で剣道を始めた副嶋。中高と猛稽古に励んだのち、一度は離れたものの、32歳の時に運命の女神(奥様)との出会いを機に始めた山登りがきっかけで、体力維持のため剣道を再開。現在は子ども達を教えながら、見事「六段」と優れた剣士に与えられる「錬士」の称号を取得されています。(余談ですが、剣道の八段保有者は人を超えていると言われることもあるそうですが、修猷館体育教師、嶌末先生が取得されています。)
本来は五段以上の高段者へ教えておられる秘密の儀「呼吸と剣で自分と相手を感じる術」を特別に伝授。
まずは参加者みんなで「あうん」ならぬ「わぁ~あうん」のリズムで呼吸。続いて、舌の位置を調整して姿勢もよくなったところで、参加者による、呼吸と姿勢を合わせて挑む"新聞斬り"の実践となりました。
最初は剣道部OB梶栗健吾さん(H1)。同級生二人(松尾武さん、林田宏二さん)の持ち手と呼吸を合わせて見事なご一刀。次は親子で挑戦。神野正啓さん(H9)と一緒に持つのはバレー部の後輩である波多江良平(H10)、息子さんがぴしゃりと斬りました。
大蔵洋子さん(H11)は吹奏楽部同士、遠藤瑠偉衣さんと持ち、呼吸を合わせてこちらも息子さんが真二つに。続いて、剣道部OBの松﨑美和さん(S59)が、長野由美さん(S58)と中川美穂さん(S61)が、持つ中、美しく一刀されます。最後は空手経験者の真砂知恵さん(S55)の立候補で、素手で斬るパフォーマンスがあり、見守る参加者と一体となった新聞斬りは拍手喝采で幕を閉じました。
二部のまとめとして、副嶋より「姿勢づくりとゆっくりの呼吸で自分が整い、見える景色が変わります」と締めくくりました。
その後、等会長より「料理長の心に火をつけた田川さん、中村天風の再来を思わせる副嶋さん」と熱い講師二人へ温かい労いがあり、五感の大切さをあらためてお話しいただきました。
総括として、田川より「食は素材を混ぜ合わせ、時間に委ねることで深みが生まれる。呼吸や間合いは自分を整え、相手を感じ、合わせることで動きが生まれる。どちらも自分だけではなく、相手や時間、環境との関係の中で、ものごとが「調っていく」。今日のテーマ、「混ぜて、合わせて、整えよう。」は、そんな意味でもあります。毎日のほんの少しの時間でも、感じた味や呼吸、身体の感覚を思い出してみてください。今日ここで感じたことを思い出しながら、ぜひ日々の中でも実践していただけたら嬉しく思います。」と締めくくり、閉会となりました。
今回のサロンは参加型とし、皆様と五感で楽しみながら研ぎ澄ましていただくことを目指しました。「わぁ~あうん」の呼吸で空へ大きく呼吸する習慣を、またこの一日が皆様に美味しく楽しい記憶となりましたら幸いです。ご参加・ご協力賜った皆様、誠にありがとうございました。
最後に、東京修猷会における天猷会のイベントはこれをもって終了となりました。多くのみなさまと出会い、同級生と再会し、まさに"星を集めて未来を照らし続けた"時間・空間でした。長きにわたり、お力添えいただき、本当にありがとうございました!
(平成10年卒・天猷会、サロン担当 田川裕子、副嶋正博)