<第511回 二木会>

IT技術と私たちの生活

日本電信電話株式会社 代表取締役副社長 和才 博美 氏(S40年卒)

インターネット

日本では既に約1億人がインターネットを使っていると言われている。固定電話(昔からある黒電話)は電話局の交換機で電話をかけるときの信号を制御して通話路を設定してやる必要があるのに対して、インターネットは1960年頃にアメリカの国防省が作ったもので、自分で通信経路を探して行くある種のロボットである。従って通信を接続するための制御をネットワークでしてやる必要がない。
1960年頃の冷戦当時、アメリカが核攻撃を受けた時にでも何とか通信を確保できるネットワークを求めてインターネットが開発された。固定電話はネットワークの交換機が攻撃されて機能しなくなると通じなくなるが、インターネットはある部分のネットワークが核攻撃で破壊されても、自分で他のルートを探して繋ぎに行くので大丈夫なのである。
インターネットは今、世界中で8億台のコンピュータに繋がっていて、2.3億のウエッブサイトが存在する。インターネットの一番の問題はセキュリティー(ウイルス)問題である。

各種通信の利用者数

ピーク時には6300万あった固定電話の加入者数は270万減少し、今では6030万である。携帯電話は急激に増え、今や日本全体で8500万も加入者がいる。8500万の携帯加入者のうち、6800万加入者がiモードのようなインターネット接続をしていて、これらを加えると日本全体で約1億人がインターネットをしていることになる。

ブロードバンド通信

ソフトバンクさんなどが広めているADSLや光ファイバーを使ったブロードバンド通信の加入者数は、もう1400万に達している。実は、加入電話の数はあまり減ってはいないが、通話量は減って来ている。インターネットやメールが増えて従来の通話があまり必要無くなって来ていている。
新聞の情報量が約1.4万字で約850万ビット、これを64KbpsのISDNで送ると25分もかかるが、ブロードバンドの光ファイバーだと0.085秒で送れるのである。
ADSLは電話局から遠い場所ほど信号が減衰してしまうが、光ファイバーは遠くまで減衰しない技術である。光多重技術を使うと、1本の光ファイバーのなかに100本の光ファイバー分の情報を多重化できる。

無線タグ

微細チップにコンピュータが埋め込まれており、これを商品等に付けるといろいろな追跡が容易に可能になる。安全管理などにも利用できる。

レゾナントコミュニケーション

映像でのコミュニケーション、即ちテレビ電話等が最もブロードバンドの利用方法として有効である。これをレゾナントコミュニケーションと名付けた。
テレビ電話やテレビ会議は、例えば化粧品の対面販売を実際に人を派遣せずに実現できる。
また、車のデザインの検討を世界中の研究所と一緒に検討する場合にも実際に人を行き来させずにできるなどの利点がる。遠隔医療にも有効である。

研究所でのその他の研究

−ウェアラブルコンピューター
−五感通信( においの伝達の研究 )
−つながり感通信

なるべく簡単にブロードバンドを使える研究も進めていますので、みなさんもブロードバンドを活用して戴いて豊かな生活を送ってください。

以上。


     講師を紹介する筑紫 勝麿 氏                 演者の和才 博美 氏


第511回 二木会のお知らせ

IT技術と私たちの生活
 

 春本番を迎え、館友の皆様におかれましても益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、4月の二木会は、日本電信電話(株)代表取締役副社長 和才博美さん(昭和40年修猷館卒業)を講師にお迎えし、「IT技術と私達の生活」をテーマにお話しいただきます。

和才さんは昭和44年に九州大学工学部をご卒業と同時に日本電信電話公社に入社されました。そしてニューヨーク駐在、東京支社副支社長、新事業担当取締役等を歴任され、公社民営化後はNTTブロードバンドイニシアティブ梶@代表取締役社長などを経て平成14年6月より現職に就かれました。講演ではIT技術が私達の生活にどのように関わっているのか、わかりやすくお話しいただけるものと思います。

 なお、4月は新会員(平成16年卒業生)の歓迎会を兼ねて行います。いつもとは逆に午後6時から講演、7時より立食パーティーとなりますので、お間違えのないよう、お願いいたします。

  多くの館友の皆様がご参加下さいますよう、心よりお待ちしております。
尚、出席のご返事は4月5日(月)必着でお願いします。

東京修猷会 会 長 藤吉 敏生(S26)
      幹事長 渡辺 俊介(S38)


テーマ  IT技術と私達の生活    
講 師  和才 博美 氏 (昭和40年卒)
 
日本電信電話株式会社 代表取締役 副社長
日    2004年 4月 8日(木)  午後6時から 講演
                   
  7時から パーティ
★☆★ 講演が先になっていますのでご注意ください! ★☆★
場    学士会館 千代田区神田錦町3−28
           電話 03-3292-5931
  地下鉄東西線        
「竹 橋」下車5分
  半蔵門線・新宿線・三田線「神保町」下車3分
会    3,000円(講演のみの方は1,500円)
 学生の方は1,500円(講演のみの方は無料)

 新卒者は講演,パーティとも無料



次回の二木会に多くの館友のみなさまのご参加を心よりお待ちしております。