講師ご本人による講演内容のご紹介
テーマ
「現代日本語のおもしろさ―日本語教育の観点からの再発見―」
講師略歴
鈴木智美(すずき ともみ)
東京外国語大学留学生日本語教育センター准教授
専門分野:現代日本語意味論、日本語教育
- 昭和55年(1980年)修猷館卒
- 慶應義塾大学文学部文学科国文学専攻卒業
- 国際交流基金海外派遣青年日本語教師プログラム等にて日本語教育
- 名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程日本言語文化専攻修了
- 同上博士後期課程修了
- 2000年9月より東京外国語大学留学生日本語教育センター
- 現在同上大学院地域文化研究科博士前期課程および博士後期課程兼担
著書等
- 『日本語表現活用辞典』姫野昌子(監修)全7名共同執筆 研究社(2004)
- 『複合助詞がこれでわかる』東京外国語大学留学生日本語教育センターグループKANAME編著(代表・鈴木智美)ひつじ書房
(2007)
- 「日本語教育と語彙」斎藤倫明・石井正彦編『これからの語彙論』ひつじ書房(2007近刊)
講演概要
主として留学生を対象とした日本語教育に携わっています。言葉の中で最も関心のあるのは「意味」の側面です。
この2つの点を結びつけると、いろいろおもしろいことが見えてきます。今回、初級の日本語文法、および中級の語彙(日本語教育における「初級・中級」の
ことです。小学校・中学校のことではありません!)を中心に、「言葉は文脈で生きている」「言葉は助け合って結び付いている」などの点をご紹介したいと思
います。
例えば……以下の質問にどう答えましょうか?
- 「家出」というのは、「家から出る」ことですか。「家を出る」ことですか?
- 「教室に入る」は、日本語としていいですか? でも、いつ使いますか?
- 「ドアが開いている」と「ドアが開けてある」は、どう違いますか?
- 「はずだ」というのは、100%信じていることですか?
- 「影響をあげる」と言ってはいけませんか?
- 「傷つく」のは「自尊心」ですか?「自負心」ですか?
- 「つい」と「うっかり」と「思わず」は、それぞれどんな時に使うのですか。
- 「あえて言うならば」と「しいて言うならば」は、違いますか?
などなどです。