第476回二木会
日時 平成12年5月11日
講師 真崎 理香 氏(昭和50年卒)NHK国際放送局制作センター
チーフディレクター
昭和54年 東京大学 教養学部 教養学科 国際関係論分科卒業、NHK入社。
昭和54年 NHK番組制作局にて、医学・経済番組を担当。
昭和59年 報道局で「ニュースセンター9時」などで、主に医療・社会関係をリポート。
平成元年
ハーバード大学医学部へ留学。医療ジャーナリストフェローシップを受ける。
平成2年 日本発の英語経済番組「JAPAN BUSINESS TODAY」のコ-ディネ-トプロデュ-サ-。
平成4年 衛星放送局でデスク
平成7年 NHKインターナショナルで事業部プロデューサー
平成10年から 現職、国際放送「44 MINUTES」デスク。
テーマ 「『テレビディレクター』の七不思議」
内容要約
今は国際放送局のデスクをやっており、自分で番組を作るという立場ではなくなったが、以前は、
「ニュースセンター9時」と「ニュース Today」レポーター兼ディレクターをやっていた。
AIDSについては日本のジャーナリストとして最初にリポートした。この頃は毎日のように「ニュー
スセンター9時」でAIDSのリポートをやっていた。ロケ中にAIDSウィルスの入った試験管に触りそ
うになったり、AIDSにかかっている猿を写そうとしたりしたため、スタッフや周りの人たちから
「AIDSに突撃する真崎さん」のように言われていた。フランスやワシントンの同性愛者の人達を取
材した際、男性スタッフが嫌がったので、女性のみの部隊を作ってインタビューに臨んだ。
また、牛肉オレンジ輸入自由化問題について、来日中の米国USTR代表のスミス代表~この人は「だ
んまりスミス」との渾名があり、全く記者に答えないことで有名な人であった~にインタビューす
るために朝から晩までいろいろな所で機会を待った。追いかけている時にSPに撒かれたり、何度も
車に挟まれそうになったりしながら取材をした。
AIDSについて「NHK特集」を作った時に、番組の台本を考査室に持って行き、NHKの用字用語辞典と
いうものに基づいて使える言葉を審査してもらったところ、コンドームや売春婦、性行為、同性愛
者という言葉がそのまま使えないことが判ったが、「人に言えないような行為で感染し、ごく一部
の人に限られた病気と思われがちだが、そうではなくて、人間が生きていく中で誰しもがかかる可
能性がある病気だと注意を促すために必要な報道だ」と考査室で説明もし、新しく用語が追加され、
放送ができることとなった。
このような報道をしながら、私は、メディアの健康教育普及に果たし得る役割を考えるようになっ
た。ハーバード大学にメディカルジャーナリストフェローシップがあることを聞き、NHKの社内留
学生として1年間の留学をさせてもらった。そこで、医療の研究者だけでなくマスコミ関係者や映
画関係者などが集まり、正しい医療知識を一般の人にどのように浸透させていくかという研究を行
ってきた。
衛星放送局に異動し、旅の番組を担当した時、ローマ文明前に栄えたエトルリア文明を追って、フ
ィレンツェからオルビエート、ペルージャ、アッシジ、シエナ、ローマなどの都市を2ヶ月間かけ
て周った。その際、5キロのバッテリーを肩に掛け、大きな三脚を抱えての移動だったため、2ヶ月
で5kg以上も痩せてしまった。美術館の撮影許可を貰いに市役所の役人に面会の約束をして伺った
ところ、その役人はカフェや昼食に出て不在だったり、午後早目に帰宅してしまったりで、なかな
か捉まらずお国柄に呆れてしまった。
その後、外国放送局との提携交渉のため、東欧とアジア諸国を3年間で20回以上出張した。日頃、
日本ではあまり報道されないような現場を見て、各国に様々な歴史の大きな傷痕が残っているのを
目の当りにした。
今は国際放送を担当し、月曜から金曜日までの英語での生放送番組「Japan
& World 44 Minutes」
のデスクをしている。なかなか英語でインタビューに答えてくれる人がいなくて苦労もしている。
以上