日時
|
平成20年1月
20日(木) |
場所
|
学士会館
|
参加人数
|
89名
|
テーマ
|
「福岡のまちづく
り」 |
講師
|
吉
田宏氏(福岡市長)
略歴: |
昭和31年9月 |
福岡県生まれ |
|
昭和50年3月 |
鹿児島ラ・サール学
園高校 卒業 |
|
昭和55年3月
|
慶應義塾大学 経済
学部 卒業 |
|
昭和55年4月
|
西日本新聞社入社 |
|
平成18年7月 |
西日本新聞社退社 |
|
平成18年11月 |
福岡市長初当選 |
|
運営/進行 |
S56年卒(スゴ
ロク会)田中昭人 |
|
講演内容
1. 修猷館との深い関わり
- 直方市出身であるが吉塚にも住んだことがあり,西日本新聞社に入ったから福岡育ちといえると思う。またラ・サール高
校に進学したが修猷館への思いがある。
- 現在は昭和50年卒の五〇会(イツワカイ)に入れていただいている。
- 市役所内、議会にも多くの修猷館出身者。連携して市政に努めている
2. 市長就任1年の所感
(1)市長としての力量と課題
- 前職(西日本新聞社記者および論説委員)の経験が役立つ
- 相手の行動原理を読み、その集積から今後を想定→相手の立場に立ってその考え や行動を考えることができる
- 物事をトータルに見渡して編集する能力が必要→さまざまな人の考えを容れな がら、市政のグランドデザインを考える
- 自己発信(演出)力には不足があるかもしれない(例えば東国原宮崎知事に比べて)。今後の課題に
(2)1年間で印象深かったこと
- 天皇・皇后両陛下の行幸:玄海島への船中で志賀島への興味。玄海島でも親しく島民と対話。自分にも激励の言葉。また
新年の御歌選びの中で両陛下共に玄海島の歌が
3. 市政の現状
(1)人口増加と女性、出生
- 今後も続く人口増(150万人程度までは増加するか?)
- 若い女性が非常に多い。政令都市の中で最も女性の就業率が高い方
- 出生数が全国一伸びている
(2)九州一円およびアジアとの「距離」の短縮
- 2010年に新幹線が全線開通→福岡・鹿児島間が1時間余に
- 福岡、釜山間は非常に密な関係
- ビートルによる両国住民の行き来
- 釜山市と福岡市の交流(経済、文化、教育、観光)
- 釜山〜福岡間にトンネルを、という話すら→博多駅がユーラシアの東の入り口になる可能性
(3)財政問題
- 2兆6000億円の債務(市民一人当たり約190万円)
- ただし急速な人口集中に伴うインフラ整備の必要性から生じたものであり、決して無駄遣いではない
4. 市政の課題と展望
(1)財政の健全化
- 公共建造物の延命化
- 市役所職員数のスリム化(5年間で500人の削減をめざす)
(2)こども
- 全小学生を対象とした居場所←現状では小3まで
- 共働き家庭が増加
- 住民の6〜7割が集合住宅
- 遊び場所が少ない。こどもが遊び方を知らない
- 塾、稽古事
- 福岡に生まれ、育ったことを喜べるこどもになってくれるように、良い環境を作りたい
(3)環境
- 世界的な潮流→環境マインドがない都市は、都市間競争に敗れる
- 朝顔プロジェクト:2007年には市庁舎西壁前面に朝顔→高い評価を受けた
- 景観としても○
- 電気代が60万円節約→10年後には朝顔で電気代を賄える計算
- 市内にこのプロジェクトを広げる計画
(4)アジア
- アジア諸都市との交流を深め、観光都市として発展することを目指す
- 空港、港の整備(80万人以上が博多港で乗降。これは全国でもずば抜けている)
- 国際都市として整備:韓国語・中国語・英語による案内板、アナウンス等
- 日本文化を感じさせる都市へ:博多駅周辺の寺町保存。建築に関する条例強化。
秋には寺町周辺に灯明を灯すプロ
ジェクトを実施(大変好評)
(5)自動車産業の集積
(6)アイランドシティの本格活用
- 大規模物流施設の誘致決定
- 良質な住宅地としての整備が進行中:巨大タワーマンションが建設中。優れた住環境。
福岡初の小・中連携の学校を設置
(7)その他にも福岡は多様な面で大きく進化中であるので、今後リアルタイムで状況を伝えたい
- 誇りにできる故郷であり続けられるように、良いものを残し、さらなる進歩を見るように努力する
5. 質疑応答問(昭和33年卒中山氏)- 北九州市との共存を可能にする政策は打ち出せないのか
- 伊勢丹の撤収、スペースワールドの業績不振、高齢化、人口減少、シャッター街化といった状況
答- それぞれの町の特色を生かせるようにしたい:製造と流通
- 例えばロボットの製造(北九州)と販売(福岡)という形で
問(昭和23年卒荒谷氏)答問答- 財政上、困難。市民会館の建て直しの際には立派なものを
問(2003年卒秋元氏)答- 困難。地下道の建造か都市中心部への交通規制?
- むしろ皆さんからアイディアを頂きたい
|