第480回二木会

平成12年11月9日(木) 於 学士会館       
講師  原田 義昭 氏
テーマ 「これからの日本のあり方」

略歴 
昭和19年10月 福岡県生まれ。                      
  35年 修猷館高校入学
  38年 アメリカ・オクラホマ高校卒業
  39年 東京・小山台高校卒業
  43年 東京大学法学部卒業、司法試験合格
新日本製鉄入社(八幡製鉄所勤務)
  45年〜 通産省入省
ボストン(タフツ)大学大学院卒業、
関東通産局総務課長、中小企業庁参事官、
渡辺美智雄通産大臣秘書官等を歴任
平成 2年〜 衆議院議員(現在3期)
   9年  厚生政務次官(〜10年)

                                     
   
現在
衆議院外務委員会理事、自民党総務会副会長、建設・社会・通信各副部会長、九州
国立博物館支援議員連盟事務局長、バリアフリー推進議員連盟事務局長、自転車振
興議員連盟事務局長、外国人参政権の慎重な取り扱いを要求する超党派の国会議員
の会幹事長、他多数

1)はじめに
  9月の講演を予定しておりましたが、身内に不幸がありましたため今回の講演
となりました。深くお詫び申し上げます。

2)日米関係
  日米関係は日本にとって非常に重要であるが、アメリカにとって日本が本当に
重要であり続けるかどうかは危惧がある。ブッシュ氏のほうがゴア氏よりも日本を
大事にすると思うが要求も大きいと思う。
  アメリカにとっては、アジアの関係で最も重要なのは米中関係で、その関係に
日本をどう位置づけるかという問題になるかもしれない。

3)中国の成長
  中国は1年か1年半に一回程度訪問しているが、ここ2〜3回での経済成長は
目を見張るものがある。街並み、人々の出で立ちや、自信に満ちた顔、そして経済
成長率は今年も8.6%と予想されている。日本がようやくゼロからプラスになった
という経済状況に比べれば大変なものである。中国は5年を待たずに世界の中で経
済的にも大変大きな国になる。隣国としては喜ばしいと同時に警戒感を持たなけれ
ばならない。中国の指導者の中には21世紀中に日本は滅んでしまうなどと侮る風
潮さえある。日本はもう一度国家の基盤を構築しなければならない。
  訪中の際、中国の経済専門家から、「20世紀の経済は積み重ねによって発展
してきた」と言われた。日本で言えば江戸時代から手工業が発達し、地域社会が経
済合理性に基づいて発展し、その上に人材が育成され、繊維工業、軽工業、化学工
業、重工業という発展過程を踏んで、現在の先端企業がある。彼は「しかし、21
世紀はIT(情報産業)によって、工業集積や歴史のない国でも、山の上でも、砂
漠の中でも、しかるべき機械とシステムを備え付ければ、世界中の隅々と情報を交
わし、発展することができる。まさにこれからは中国の時代である」と続けたが、
これはまさにそのとおりである。事実中国のIT革命の進み具合は定評のあるとこ
ろである。

  日本は戦後経済が発展し、無償や低利子でアジアの国を援助するまでになって
きたが、中国もやがて経済力が日本に肩を並べ、援助される側から援助する側にな
る時代がくると思う。

4)ITの成長著しいインド
  IT関連で言えばインドの成長も注目に値する。首相が先日訪問した際に同行
した人から聞いた話だが「これから欧米を抜きにして、インドと日本でITの世界
を席巻しよう。日本はハードウェアの生産に頑張ってほしい。インドはソフトウェ
アの開発を頑張る」と言われたそうで侮られたと怒っていた。事実インドにはIT
エンジニアの人材は豊富であり、例えばアメリカのエンジニアでの高給取りはほと
んどがインド人だそうだ。

5)アジアの中での日本の今後
  今後のアジアを考えたときに、中国やインドはITによって国力を向上させ、
IT技術と経済力でアジアにとって重要な国となると考えられる。中国は5年、1
0年後にはスーパーパワーを持つ可能性がある。
ところが、日本はアメリカやロシアの用にスーパーパワーは持っていない。しかし
、日本はそうなった中国と拮抗できる、チェックできる力を持たなければいけない
。そのためにもアジア、とりわけ東南アジア、東アジア、南アジアの国々との友好
関係を強める必要がある。

6)今後の活動
  このような日本を目指し、山崎拓先輩(S30年卒業)など志を同じくする人
とともに行動している。発言をする機会は多くあるが、志の実現のためには執行部
に入るなど、政治的な力を持たなければならない。そのためにこれからも頑張って
いきたいと思う。

       以上

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