第463回二木会の報告

日時 :1999年1月14日19時から
場所 :学士会館
講演者:稲川誠(昭和31年卒)
テーマ:「ベイスターズ優勝を語る」スカウトが見た日本一戦士達の素顔

内容
修猷館在学中は、野球部と生物部を掛け持ち。
修猷館卒業後、立教大学野球部を経て、富士製鉄(現新日鉄)室蘭に入社。
社会人野球で2年、一目を浴びて1962年大洋ホエールズに入団。
投手として活躍し、63,64,65年にはオールスター戦にも出場。
63年は26勝、64年は21勝し、あともう一歩でリーグ優勝を逃した。
68年現役引退後、通算19年間ピッチングコーチを務め、平松・斉藤あきお・遠藤を育てた。
コーチ時代は、良い選手を育てたい気持ちでやっていた。
その後スカウトとなり、年中社会人・大学・高校の大会を見て回っている。
慶応時代の高橋(現巨人)も毎日グラウンドに通い、顔馴染だった。
この度の松坂(西武入団)も3年間追いかけた。昨夏から「横浜を希望する」と言われた時、
大変満足だったが、結局ドラフトでクジにはずれた時は家で大泣きした。
今回優勝で活躍した佐々木投手は、高校時代にスカウトに通った。
しかし大学に進学し、その後佐々木から大洋に入りたいと言ってきた。
スカウトの仕事は人と人のつながりが大切。色々な良い人と巡り合った。
スカウトはチームの弱点を掴んで、補強する良い選手になる人材を探して入団させる。
チームにとって一番大切な仕事で、大変厳しい仕事でもある。
今回のドラフトで二人のスカウトが自殺した。
私が自殺せずに済んだのは、生物部以来の蝶の収集の趣味を持っていたからだと思う。
客と一体となって喜べる試合をするのがプロと言う考え方で、また優勝に向っていきたい。