報国寮々歌(百道松原) 大正四年秋
藤沢雄一郎 修猷館教諭 作詞
松園 福岡師範学校 教諭 作曲
一 百道松原岸高く 見渡す限り目も遙に
水や空なる玄界の 八重の潮路に風立てば
昔ながらの波の音 千歳の調べをたたむなり
二 西のみ空に赫奕(やく)と 輝く星のそれのごと
袖が浦曲の学び舎の 甍つらねし学寮の
健児の胸に輝ける 希望の光君見ずや
三 月日はめぐる小車の 進み行く世に鑑みて
花朝月夕束の間も 文武の道を励精し
丹心一途報国の これぞ健児の覚悟なる
・以上三番までは当時歌われていたが、歌詞として次の三番、四番が活字に残されている。
三 飆(ひょう)風一過十万の 醜慮(しゅうりょ)を殲(つ)くしし例(ためし)もて
浮華軽佻の世のさがを 一挙に払い尽くさんと
剛健質素の風(ふう)強く 叫ぶ健児の声をきけ
四 虎視眈眈の世の習い 時運の推移に鑑みて
自彊(じきょう)息(や)まざる心もて 文武の道を励精し
丹心一途報国の これぞ健児の覚悟なる